せっかく庭をきれいにしたのに、ひと月もすればまた雑草が顔を出す。毎年これを繰り返していると、掃除そのものが嫌になってきます。
先に大事なことをお伝えします。雑草をゼロにする方法はありません。土がある限り、種は飛んできますし、地中に残った種も発芽します。目指すのは「生えない庭」ではなく、生えても手に負える状態を保つことです。
そのうえで、対策には向き不向きがはっきりあります。この記事では、防草シート・砂利・除草剤・グランドカバー・固める土のそれぞれについて、どこに向いてどこに向かないかを整理しました。
まず、草を取り切ってからでないと始まらない
どの方法を選ぶにしても、出発点は同じです。今生えている草を、根から取り除くこと。ここを飛ばすと、何をやっても失敗します。
刈っただけで防草シートを敷くと、シートの下で根が生き残り、やがてシートを押し上げたり、破って出てきたりします。特にスギナ、ドクダミ、ヤブガラシのように地下茎で広がるものは、地中の茎が残っている限り必ず戻ってきます。
草刈りと草むしりの違い、どちらを選ぶべきかは雑草だらけの庭は草刈りと草むしりどっち?で詳しく解説しています。防草を考えているなら、根から取る草むしりが前提になります。
防草シート ― 面積が広い場所の本命
向いているところ
庭の広い面、家のまわりの犬走り、駐車場の脇、花壇のない一角。人が歩かない、または砂利を敷ける場所です。
正しく施工すれば、数年から10年ほど効果が続きます。長い目で見れば、毎年草むしりを頼むより安くつくケースが多くあります。
向かないところ
これから植栽を増やしたい場所、家庭菜園、花壇のまわり。シートを敷くと土をいじりにくくなります。
失敗するのは、たいてい次の3つ
1. 薄いシートを選んでしまう。ホームセンターの安価な織布タイプは、数年で劣化し、繊維の隙間から草が突き抜けます。長く使うなら、厚手の不織布タイプを選んでください。
2. 端と重なりの処理が甘い。草が出てくるのは、たいていシートの継ぎ目、端、ピンを打った穴からです。10センチ以上重ね、専用のピンで確実に留め、端は立ち上げるか押さえる必要があります。
3. シートの上に土が乗る。これが見落とされがちです。落ち葉が腐ったり、風で土埃が積もったりすると、シートの上に薄い土の層ができ、そこに種が落ちて発芽します。シート自体は無傷なのに草が生える、という状態です。
砂利と組み合わせるのが基本
シートだけだと紫外線で劣化します。上に砂利を敷くと、紫外線から守られて寿命が延び、見た目も整い、防犯にもなります。
砂利 ― 見た目と防犯を兼ねたい場所に
向いているところ
駐車場のまわり、家の周囲、通路。歩くと音がするので、防犯対策としても機能します。
気をつけたいこと
厚みが足りないと効果が出ません。5センチ以上を目安にしてください。薄いと下まで光が届き、砂利の隙間から草が伸びてきます。
また、砂利だけを土の上に撒くと、時間とともに土に沈んでいきます。数年後には砂利と土が混ざり、その隙間に草が生える状態になります。防草シートを下に敷いてから砂利を乗せるのが基本です。
落ち葉が多い場所も注意が必要です。砂利の隙間に落ち葉が溜まり、腐って土になり、そこから草が生えます。落ち葉の多い庭では、こまめな掃除とセットで考えてください。
除草剤 ― 使う場所と種類を選べば有効
正しく使えば有効な手段です。ただし、種類の違いを理解せずに使うと、庭木を枯らしたり、隣家に影響が及んだりします。
2つの種類を、混同しないこと
茎葉処理型(液体タイプ)は、生えている草の葉にかけて枯らすものです。土には残らないため、枯らしたあとに植物を植えられます。ただし、かかった植物は選ばず枯れるので、庭木や草花にかからないよう注意が必要です。
土壌処理型(粒剤タイプ)は、土に撒いて成分を残し、発芽を抑えるものです。効果が数か月続きますが、その間はそこに何も植えられません。庭木や生垣の近くで使うと、根から吸って木が枯れることがあります。
使ってはいけない場所
- 庭木・生垣の根が張っている範囲
- 家庭菜園、これから何かを植えたい場所
- 傾斜地の上側(雨で流れて下の植栽や隣地に及びます)
- 隣家との境界のすぐ際
- ペットや小さなお子さまが日常的に立ち入る場所
特に傾斜地は見落とされがちです。雨のたびに成分が流れ、下にある大切な木を枯らしてしまった、という相談を受けることがあります。
使う前に、必ず表示を確認してください
製品ごとに、使える場所・使えない場所・使用量が定められています。農薬取締法上の登録がある製品とない製品でも扱いが変わります。必ず容器の表示に従って使用してください。
グランドカバー ― 見た目を大事にしたい庭に
地面を覆う植物を植えて、雑草が生える隙間をなくす方法です。クラピア、ヒメイワダレソウ、タイム、リュウノヒゲなどが使われます。
緑のある景観を保ちたい方には向いていますが、定着するまで1年ほどかかり、その間は雑草との競争になります。手入れがまったく要らなくなるわけではなく、はみ出したぶんを切る作業は残ります。
また、繁殖力の強い種類は、意図しない範囲まで広がることがあります。植える範囲を仕切っておくと安心です。
固まる土・コンクリート ― 恒久的にしたい場所に
通路や駐車場のように、もう植物を育てる予定がない場所であれば、固まる土やコンクリートで覆ってしまう方法もあります。
初期費用はかかりますが、その後の手入れはほぼ不要になります。ただし、一度施工すると元に戻すのが大変です。将来この場所をどう使いたいかを考えてから決めてください。
なお、コンクリート面も年月とともに苔や黒ずみが出ます。その手入れについては駐車場掃除は高圧洗浄でどこまできれいになる?をご覧ください。
手強い雑草は、種類を見てから対策を決める
「何をやっても生えてくる」という場合、たいてい相手が決まっています。庭でよく問題になるものを挙げておきます。
スギナ
春につくしが出る、あの植物です。地下茎が深く長く伸びるため、地上部を抜いても地中の茎から何度でも出てきます。表面を取っただけでは終わりません。
防草シートを敷く場合は、下処理をしっかりしないと突き抜けてきます。土壌が酸性に傾いた場所を好む性質があるため、土壌改良を組み合わせる考え方もあります。
ドクダミ
独特の匂いがあり、白い花をつけます。これも地下茎で広がり、途中で切れた茎の断片からでも再生します。中途半端に掘り返すと、かえって断片が散らばって広がることがあります。
ヤブガラシ
つる性で、他の植物に巻きついて覆ってしまいます。名前のとおり、放っておくと生垣や庭木を枯らします。根が深く、地上部だけ取っても意味がありません。
庭木に絡んでいる場合は、木を傷めないよう慎重に外す必要があります。
チガヤ・メヒシバなどのイネ科
刈っても刈っても伸びる、いわゆる普通の草です。種で広く増えるので、種ができる前に刈るのがいちばん効きます。穂が出てから刈ると、その時点で種が飛んでいます。
共通して言えること
地下茎で広がるタイプ(スギナ、ドクダミ、ヤブガラシ)は、一度の作業で終わらせるのが難しく、数回に分けて弱らせていく形になります。「一度やったのに戻った」と感じられるのは、たいていこのタイプです。
種で増えるタイプは、種ができる前のタイミングを外さないことが最大の対策になります。年2回の作業なら、初夏と初秋に入れるのが理にかなっています。
場所別・向いている方法
| 場所 | 向いている方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 庭の広い面 | 防草シート+砂利 | 面積が広いほど効果と費用対効果が高くなります |
| 家のまわりの犬走り | 防草シート+砂利 | 歩く音が防犯にもなります |
| 駐車場の脇・目地 | 砂利、または固まる土 | 植える予定がない場所です |
| 庭木・生垣のまわり | 手で取る、またはグランドカバー | 除草剤は木を枯らす危険があります |
| 花壇のまわり | 手で取る、バークチップ | 植栽を変えられる状態を残します |
| 通路・アプローチ | 固まる土・コンクリート | 恒久的に手間をなくせます |
| 傾斜地・法面 | グランドカバー、防草シート | 除草剤は流れて周囲に及びます |
| 家庭菜園の予定地 | 手で取る、マルチング | 土を使える状態に保ちます |
よく聞く方法のうち、おすすめしないもの
インターネットでよく見かける方法のなかには、庭でやると問題が出るものがあります。相談を受けることが多いものを挙げておきます。
塩をまく
絶対にやめてください。たしかに草は枯れますが、塩分は分解されずに土に残り続けます。その場所には何年も植物が育たなくなります。
さらに、雨で流れてコンクリートの内部に入ると鉄筋を錆びさせ、構造物を傷めます。地中の水道管やガス管にも影響します。隣地や下の土地まで及べば、責任問題にもなりかねません。手軽に見えて、いちばん取り返しがつかない方法です。
熱湯をかける
一時的に地上部は枯れますが、根までは届かないため、すぐに再生します。土の中の有用な微生物まで死んでしまい、火傷の危険もあります。玄関先の目地など、ごく狭い範囲の応急処置と考えてください。
ビニールシート・ブルーシートで覆う
光を遮る発想は正しいのですが、水を通さないため、下に水が溜まって腐敗します。虫が湧き、風で飛ぶと近所迷惑にもなります。
防草シートは、光を通さず水は通すように作られています。見た目が似ていても、まったくの別物です。
刈った草をその場に敷く
マルチング(草で地面を覆う)として紹介されることがありますが、種が付いた状態の草を敷くと、そこから発芽します。刈った草を再利用するなら、種ができる前のものに限ります。
「一度やれば永久に生えない」という説明
そうした方法はありません。防草シートにも寿命があり、砂利も沈み、コンクリートにもひび割れが入ります。何年もつのか、そのあとどうするのかまで説明してくれるかどうかが、信頼できる相手かを見分ける目安になります。
費用の考え方 ― 目先の安さで選ばない
防草の工事は、初期費用だけ見ると高く感じます。しかし、比べるべきは「毎年の草むしり費用 × 続ける年数」です。
当社の草むしり・除草は1,000円〜/㎡(税込)が目安です。仮に毎年1回頼むとすると、10年で10回ぶんかかります。防草シートを敷いて10年もつなら、どちらが安いかは面積次第で逆転します。
特に、遠方の実家や空き家のように「行くたびに荒れている」場所では、一度しっかり対策しておくほうが、費用面でも精神的な負担の面でも楽になります。空き家の庭については空き家や実家の庭管理で困ったらをご覧ください。
よくあるご質問
雑草がまったく生えないようにできますか。
完全にゼロにすることはできません。種は風で飛んできますし、土の中にも残っています。目指すのは、生えても手に負える状態を保つことです。防草シートと砂利を正しく施工すれば、年に数本抜く程度まで減らせます。
防草シートを敷いたのに草が生えてきました。なぜですか。
多いのは3つです。シートが薄くて繊維の隙間から突き抜けている、継ぎ目や端の処理が甘い、そしてシートの上に落ち葉や土埃が積もってそこから発芽している、というものです。シート自体は無傷でも、上に土の層ができれば草は生えます。状況を見せていただければ原因をお伝えします。
除草剤は使っても大丈夫ですか。
場所と種類を選べば有効です。ただし土壌処理型(粒剤)を庭木や生垣の近くで使うと、根から吸って木が枯れることがあります。傾斜地では雨で流れて下の植栽や隣地に及びます。家庭菜園の予定地やペットが立ち入る場所も避けてください。使用前に必ず製品の表示をご確認ください。
砂利はどのくらいの厚さで敷けばいいですか。
5センチ以上が目安です。薄いと光が下まで届き、隙間から草が伸びます。また、砂利だけを土の上に撒くと年月とともに沈んで土と混ざるため、下に防草シートを敷いてから乗せるのが基本です。
草むしりと防草シートの施工を、まとめて頼めますか。
はい。根から取る作業と、そのあとの防草対策はセットで考えたほうが確実です。刈っただけでシートを敷くと、下で根が生き残ってシートを押し上げます。庭の状態を見たうえで、必要な工程と金額をご説明します。
どの方法が良いか分かりません。相談だけでもできますか。
もちろんです。見積り・ご相談・出張費はすべて無料です。庭の使い方、今後の予定、ご予算をうかがったうえで、その場所に合った方法をご提案します。写真を送っていただくだけでも構いません。
まとめ
雑草対策は、まず根から取り切ることから始まります。刈っただけで何を敷いても、下で根が生き残ります。
広い面には防草シートと砂利、庭木のまわりは手で取る、通路は固まる土。場所ごとに向き不向きがあり、一つの方法ですべてを解決することはできません。除草剤は便利ですが、庭木や傾斜地では思わぬ被害を出すことがあります。
費用は、初期費用だけでなく「毎年の草むしり × 年数」と比べて考えてください。特に遠方の実家や空き家では、一度対策しておくほうが結果的に楽になります。
お庭のお掃除のえるでは、草むしり・除草(1,000円〜/㎡・税込)と、そのあとの防草対策をあわせてご相談いただけます。見積り・ご相談・出張費は無料です。
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